映画「mommy」で描かれた幸せ ほぼネタバレなし。
とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2ヶ月後、内閣はS18法案を可決する。公共医療政策の改正が目的である。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。ダイアン・デュプレの運命は、この法律により、大きく左右されることになる
一瞬難しそうですが、
全然難しくありません。
ADHDという障害を持った子(高校生ぐらい)と、そのお母さんの話です。
ADHDというのは、発達障害の一種で、注意欠損・多動性障害のことです。
簡単に言うと
人の話を聞き終わる前に喋り出したり、すぐ暴言を吐いてしまったり、殴ってしまったり、急に怒り出したり。
社会に適応するのが少し難しい。(程度があるので、ADHDでも問題なく生活できる方もいらっしゃいます。)
この映画の主人公は上記のような、少し難しい病気の設定でした。
最初の方だけ話をすると、
施設から出戻りしてきた主人公がお母さんと2人暮らしを再開させるところから始まります。
お母さんはsー14法案を勧められますが、
それを拒否。
2人暮らしを選択します。
それでまぁ
2人でなんとかやっていこうとする
障害があるが故に起こる問題の大変さに押しつぶされながらも、自分の息子は自分で面倒見たいというお母さんの密かな希望との葛藤です。
主人公は大人一歩手前の男性なので暴れ出したらお母さんは止められない
お母さんもかなりファンキーですが、それでも全然止められない。
お母さんは息子がとても大切で
息子もお母さんが大好き
でもADHDだからそうなのか、
狂気に導かれるように怒ったり、暴れたり
時折見せる主人公の純粋な優しさや、彼の笑顔がさらにその病気の苦しさを物語っているように思いました。
誰も悪くない
どうすることもできない
観終わった時、この映画の主人公は障害をもつ子ではなくて、そのお母さんなんだと思いました。
この映画が
障害のある人の話でも、そうではなくても、
どうしようもない悲しみに出会った時でも
希望を捨ててはいけないと感じました。
あとやっぱり
強く生きなきゃならないと思いました。
強くなければ大事な人を守れない。
強くなければ自分を保てない。
映画の中で、何気なく平凡に生活するシーンが数多く出てきますが、
その度に涙が溢れました。
「苦しい事もいろいろあるかもしれないけど、今はとても楽しそうだ、幸せなんだろな、良かった。本当に良かった」
そんな気持ちになって泣けてきました。
なとんいうか、
この気持ちを説明するのは本当に難しい
( ̄▽ ̄)
気がつくと、
幸せってなんなんだろうか?と、
毎度の如く
出口のない迷路に時速130キロぐらいでぶっ込んでいく私です。
過去の苦しみが大きい程、幸せの閾値は下がるものですが、
じゃあ幸せを今より感じやすくするために苦労しろとは言い難い
しかも苦しみから這い上がった結果幸せを感じれるわけだから。。
負のスパイラルから抜け出せない時は地獄ですし。
苦労する為に生まれてきたなんて絶対言いたくない
その先に幸せがあっても
いつ命が消えるかなんて誰にも分からない
でもやっぱり基準がないと幸せを規定するのは難しい。
なんか美空ひばりの「愛燦燦」が頭のジュークボックスから流れてきた。。。
正直
私は元がネガティブだったから、幸せとか、勇気とか、抽象的な言葉に取り憑かれすぎているのだと思います。それが分かれば今より状態が良くなる気がして。。
ただ
これで長い間やってきて、4年ほど前から人生がポジティブに変わり始めているので、なんとか少しでも説明できる答えの欠片をゲットしたいのであります。
ほんとうは
生まれながらにして純粋で楽しそうで、幸せな人に色々語って貰いたいのですが、
そういう人は
もうすでに明るくて元気で楽しくやっているので、ナカナカ真剣に答えが出せないらしいです。
難なくできる人が、出来ない人をみて「なんで出来ないのか分からない」と思うのと似てると思います。
それはさておき
少しの事で無邪気に笑える人は
流行りのランチに2時間並ばなくても
六本木ヒルズに住まなくても
ヘリコプターで昼飯を食いに行かなくても
勝ち組ですよね
あんまり勝ちとか負けとか言いたくないです。。
いったんこの迷路を逆走して入口に戻ります。
この映画は
自分の人生色々苦労したと思う人程、観たら面白いかもしれません。
幸せって、
いろんな種類がありそうです。
幸せですか?
答えづらいですよね
でも
自分の中に幸せがなかったら、人に幸せを与える事なんてできないです。
財布持ってないのに友達に飯奢る的な。
だからもしもの時大切な人を幸せにする為にも
私は幸せでいたいかも。
もしくは
すぐに幸せを引き出せるような状態でいたい。
てゆっか
映画全然関係ない所に落ち着いてしまった。
あと、この映画、音楽がめちゃめちゃいいです。
映画の画面が1:1で正方形画面になっているのですが、それも、CDのジャケットを想像させるようにしているらしいです。
買ったパンフレットに書いてありました。
確実に音楽も重要な要素になっているって事です。
それと、オシャん。しゃれおつ。
コマ割りとか服とか、さすが若い監督だけある。
話がしっかりしているからオシャレ要素も全然許せました。
とにかく良かったです。
個人的にはここ5年ぐらいで1番じゃないかと思うほどです。(結構映画観てきたつもりです)
(年間200本近く映画観てる友達も5点満点中4点って言っていたのでオススメできます)